まだまだブログ更新がままならない日々でございます。やっと時間ができたので、書いてみました。
『月刊ウララ」という福井の情報誌にて編集の仕事をしていますが、これまで19年、本当に多くの人を取材してきました。一体何人の人に会ったんだろうと、数を数えることもできないくらい、かなり多いと思います。きっと福井県で一番取材しているんじゃないか、ってくらい。会い過ぎてもう覚えきれないです(汗)。だから「お久しぶりです」と声をかけていただいても、時々どこで会ったかな、と記憶をたどることがありますので、ご容赦ください…。
で、取材を通じて何を身に着けていったかというと、タイトル通り「聞くチカラ」です。最近「聞くチカラが必要です」とビジネス系の本でも、自己啓発系の本でも書かれるようになってきました。いや、大事です。何故大事かというと、ビジネスでも自己啓発でもコミュニケーション力は重要な位置を占めていて、「相手を理解する」ことが必要不可欠だからです。その基礎となるのが聞くチカラだと思います。
よく見かけるのが、自分のことをよく話す人。聞かれてもいないのに「自分は」、「私は」と話し始めても、相手には届いていません。聞きたいことではないからです。話す方は言いたいから話す。でもそれって、自己満足にしか過ぎません。コミュニケーションは相互理解です。相手のことを知るためにも、まずは「聞く」から始めることです。
相手のどういうところに興味を示して聞いていくか。それは人それぞれですので、聞く人が自分のアンテナに引っ掛かったところから聞いてみてください。そうすると、相手はその質問に答えます。その答えに対して「そうなんですか」と、終わってしまっては会話が終了してしまいます。コミュニケーションは取れていません。答えに対してさらに自分のアンテナに引っ掛かったところを質問していきます。その繰り返しです。あ、その際、「私はちゃんと聞いていますよ」ということを伝えるための仕草、うなずくこと、相手の目を見て聞くこと、そういう聞く態勢も持っていてください。
でも、聞くばかりではコミュニケーションはまだ取れていません。それらの回答に対して別の言葉で「〇〇なんですね」と返すこと。Aを聞いたらAではなくA’で返す。そうすると、「あ、この人は自分の言ったことを理解してくれている」となるのです。何故なら違う言葉で同じ意味を返してくるから。「聞くチカラ」においてこのA’が大事です。
では、A’を導くためには。今度は回答と自分の持っている情報と経験を混ぜ合わせることです。つまり、いろんな引き出しを持つことが大事なのです。引き出しを持つためには、いろんな経験が必要です。いろんな経験をするには、好奇心を持っていろんな人に会いに行くことです。会社でも時々言ってます。「人に会おう」と。
こういう仕事をしているので「いろんなものを知っていますよね」と、お店のことや人のことを聞かれます。でも、それはちょっと違っています。何でも知っている、というのは、自分が全部を知っているのではなく、その分野に明るい人とホットラインができている、ということなのです。自分が持っていない情報や知識は、その人に聞けばいい。そういうゲートキーパー的な人とつながっていくこと。そのためには相互理解が必要です。
「聞くチカラ」というのは決して聞くだけの力ではなく、質問ー回答ー質問ー回答……とできる頭の回転と、相手の価値観を受け止められる自身の器、自分の言葉で相手の言葉を言い換える技術、最後に好奇心を持って接する姿勢、なのだと思います。一朝一夕ではできません。これらのことを「多すぎて無理」とハナからあきらめるよりも、一歩ずつできるように行動するのでは、1年後にはまったく違ってきます。もし人と話す機会があれば、これらのことを意識してみるだけでも変わります。是非やってみてください。