福井に対して熱くいよう

これ、昨年の記事ですが、楽天トラベルの調査結果で福井が1位になったそうです。

1位はなんと福井。いま気になる人気急上昇中の都道府県ランキング

確かに、昨年はエキマエにいるとよく旅人に会いました。で、福井に来た理由を聞くと、「行ったことがないから」という答えが多かった気がします。関西系の人は「2,3日空いたからどこか行こうと思ったとき、福井ってどんなとこかと思って来てみた」という答えをいただいたこともあります。

で、皆さんの多くは「恐竜博物館」、「永平寺」は知っていました。「東尋坊」は石川県にあると思っていた人もチラホラ……。「めがね」も結構知っていましたね。「越前がに」も。でも「おろしそば」や「ソースカツ丼」は、片町の本店に行列ができていてもそこまでメジャーなほど知られているか、といえばそうでもなかった気もします。

自分のFacebookの、4年前の投稿から引っ張ってきました。

ここでの1位とは、伸び率のことであり、実際の人数としてはまだまだです。とはいいつつも、まったく福井が知られていない場所かといえばそうでもありません。著名な方もお忍びで福井に旅行に来られているとか。来られる理由も結局「あまり知られていない場所だから」があるとは思います。もちろん、美味しいものがなければ来ないですよね。

昔から言っていたことですが、多分、福井って「ツウな街」なんだな、と思います。美味しいものも、温かい人柄も、知ってる人は知っている、でも「教えたくない!」のではないだろうか、と。メジャーになれば多くの人が来ます。そうなると静かな、落ち着いた、自分たちにとって居心地のいい場所でなくなる、それを危惧してるのでは、と。かなり前向き過ぎる解釈ですが(^^;

メジャーじゃなくてもいい、と思っています。わかってくれる人がしっかりわかってくれる街でいいと思っています。お隣金沢のような街にはなれません。元々の土壌が違います。金沢は戦災も震災もありませんでした。道路などは江戸時代から8割は変わっていないほどの街です。外様大名の国だったから、みんなで一緒になって盛り上げていこうという気概が脈々と続いています。金沢駅の土地は「金沢を盛り上げてほしい」と、地主さんは無償提供したと聞いたことがありました(真偽はともかく、ですが)。

翻って福井は街自体が震災後の昭和23年からスタートしています。福井城の外堀は都市計画で埋めてしまいました。歴史がない、といえばないのかもしれませんが、ない分だけ新しいことができたと思います。震災でゼロからのスタート。失うものはありません。ただ、作ったのは昭和時代。平成になって新しく生まれたのは郊外のショッピングセンターとその周囲、そしてハピリン。エキマエはひょっともしないでも、昭和が残っています。

福井での「昭和」を強烈に感じる新栄商店街。実は店舗数、純増しているという奇跡が起きてます

昭和の名残があるので古臭い、というイメージだったんですが、他がきれいになっていったことで、回顧主義というか、「味がある」と、全国から捉えられるようになってきました。あ、あくまでも新栄商店街の話なんですが…。

元号が今年変わり、新しい時代が始まります。エキマエも再開発で一新していきます。もちろん変わることは必然ですが、変わらない勇気、というのも一方ではあります。街が変わっていくということは、人の気持ちも変わっていくことです。メジャーな街を目指すとき、観光に根差した接待のありかたもスタンスとして持たなくてはなりません。悲しいかな、それはまだこの街では足りません。足りなくて当然です。そういう街ではなかったから。時間をかけてこれから作っていかなければなりません。元々の素養はあると思ってます。ツウな人たちがこの街の良さを語るときに、いの一番に出てくる言葉が「人が温かい」でしたから。ただ、現時点ではその対応できるキャパシティがまだ少ないと思います。

変わりたくない、とは思いません。変わることは必然だと思ってますから。ただ、急激なメジャー化には対応できない、ということです。目の前に見えている2023年北陸新幹線延伸、大事なのは、人の気持ちです。来県者お迎えする気持ちです。まんべんなく「人が温かい」と思ってもらえるような、器の大きさです。

だから、普段は熱いくらいがいいのかもしれません。「熱いねぇ」と思われるくらいがいいのかもしれません。福井に対する熱さ、それは人それぞれですが、思いをしっかり持つことが、やがて来る多くの観光客に対して「人の温かさ」を提供できるのだと思います。熱くいきましょう!

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