龍馬と鰹
こんな最中に、とは思いますが、この先のことを考えて進んで行かなくてはならない、と、行って来ました高知県。
さて皆さん、高知県ってどんなイメージを持ってますか? 真っ先に出てくるのは「坂本龍馬」ですよねぇ。いやホント、坂本龍馬の街と言っても過言ではないくらい、幕末推しです。
他には、鰹のたたきね。福井じゃあ「どん茶屋」で出てくるような弩級の大きさの鰹のたたき。にんにくとか玉ねぎとか、ネギとかと一緒に食べるんですが、刺身は一口、ってな概念を覆して攻めてくる感じです。
てか、結構香りが強い野菜と一緒に食べるよな…、って思いました。そんなに鰹ってクセが強い感じではないのにね。精力付けるためか(°Д°)!?
では、他には? ってなると、あまり思い浮かばないと思いませんか? そうなんです、イメージが出てこないんです。上の2つが強烈過ぎて…。
でもね、行くとわかるんですよ。“それだけじゃない高知”って。あとね、福井と似てるなー、ってのもありました。さらに福井も参考にしたらいいなー、ってのもありました。今回はそんなお話です。
高知から福井へは?
さて、福井から高知までの距離は約500km。移動するならいくつか方法あります。車なら名神高速からか舞鶴若狭自動車道を。さらに海を渡るときは淡路島を通過する明石海峡大橋か瀬戸大橋を。瀬戸大橋通るなら讃岐うどんを途中に食べてもいいし、明石海峡大橋通るなら玉ねぎ丸かじりしてもいいし笑 もう高知までに見たいとこたくさんありますよね(о´∀`о)
リッチに行くなら伊丹空港から飛行機で。45分なのでシートベルト解除する間もないんじゃないかって笑
あとね、これが楽なんですが、昨年から北陸と四国をつなぐ夜行バスが運行されることになりまして。寝てる間に四国です。
で、今回は密を避けようと車を選択しました。うどん食べたかったし笑 単純計算で行けば5時間なんですよ。よく行く白浜町と比べれば約130kmの違い。まあ、福井市から高浜町に行くくらいの差ですわ。
龍馬激推し
福井を真夜中に出発して、朝には高知市に到着。で、そこからノープラン笑 何度も高知に足を運んでいる方のアドバイスで向かったのは「龍馬の生まれたまち記念館」という、まさに龍馬のための記念館というトンガリ具合。これができるのも、龍馬というキーワードで観光を打ち出しているからこそ。
いやー、最初「駆け足なら30分で見終わる」って言ってたのに、全然足らない…。かなり読み込む内容が多くて、1時間はゆうに過ごせる内容です。興味があるから、ってだけでなく、結構デジタル化が進んでる展示でして、この規模でこんなにぶっ込んでるってことは、高知県が相当龍馬推しってのがわかります。ずっと気になっていた、土佐藩の身分制度の理由がわかりました。
それよりも坂本龍馬って、戦後にクローズアップされた感じで、司馬遼太郎の『龍馬がゆく』が今に至る坂本龍馬のイメージを作り上げたという風に思ってましたが、翌日そうでもないのか? という事象に出会うことになります。
あと、福井とのつながりをここで発見しました! 実はこの「龍馬の生まれたまち記念館」と、「福井市立郷土歴史博物館」は、姉妹館協定を結んでいるんですよ。その資料展示を発見したとき、ちょっと嬉しかったです。福井市立郷土歴史博物館にも展示してるなら見てみたいです。例えば2つの資料館を訪れたらお互いの街の記念品をプレゼント、ってのもありかもしれないですね。
高知の観光事情
で今回、高知のいろんな方と出会い、いろんな話をしました。そして、高知市の中心地をぶらぶらと歩いて来ました。
全国の自治体が真似したけど続けられなかったという「ひろめ市場」。中心の商店街と高知城の間にあって、まあ賑わってました。こういうの好きです。なんだろ、敦賀の日本海さかな街をフードコートにしたみたいな感じ? どちらかというと観光客向けのスポットだし、実際観光客がいたと思いますが、地元の人も多いような気もしました。隣接してる商店街は観光客よりも地元の人ばかり、それも老若男女。時折観光向けのお店があるけど、基本は地元の人向けのお店が多く、駅側の方にはデパートがあるけど、むしろ高知城、「ひろめ市場」側のほうが栄えていた感じがしました。
これなんですよ。街のあり方って。観光客ももちろん楽しめるコンテンツがありつつも、地元の人が集まる場所がすぐそこにあるというか。街を作るのは決して観光客ではなく、地元の人たちの営みによるものだし、そこに観光をプラスするという感覚。地元も観光客もごった煮の状態を作る街って魅力的だな、って思います。
とはいえ、高知の方とお話をしていると、不思議でたまらないことがあります。高知県の観光入込客数が440万人だってこと。これは宿泊数ではなく、日帰りも含めての数だそうで。翻って福井県。なんと、1800万人って数値。…ホンマかいな?? この数値は総数なので、県内と県外の人数に分解していくと、ほぼ同数の約900万人ずつだそうで。まぁ、それでも900万人もいるんかぁ…。
その数値の割には高知の商店街の中にあるような、京都のお土産屋さんみたいなベタなお土産屋さんがあるわけでもなく、交通の拠点である福井駅周辺にわんさか県外の人がいるような空気もなく。はて? みんなどこにいる??
で、この1800万という数値を日帰りと宿泊者数に分解していくと、日帰りが約1500万人、宿泊が約300万人だそうな。日帰りってーと、もう県内三大観光地に集約されてしまうんやなぁ。東尋坊、永平寺、恐竜博物館って。って思ったら、昨年の1位はなんと武生中央公園。以下、東尋坊、日本海さかな街、恐竜博物館、朝倉氏遺跡、なんだって。ここまでが昨年100万人突破の観光地。
日帰りって、大体金沢とかとセットになるから、どうしてもそのまま石川県に戻ってしまうんですよね。ある人は東尋坊は石川県にある、と思ってたりするんですよ。正直、福井県単体で観光は考えては袋小路に陥ると思うんです。北陸は地続きである以上、3県まとめてのプロモーションが必要なんかな、っては思います。以前白山をキーワードに福井と石川でプロモーションしてましたけど、ああいう感じ。でもこれもまた、一つ課題があるので、それは別の機会に。
最果ての街
で、高知県。皆さんが言っていたのは、高知県ってどん突きなんですて。昔バイクで徳島から室戸岬経由して高知市に入って、宿毛から大分に渡ったことがあったから、どん突きってイメージはなかったんです。
でも、四国の中でも高知は他の3県のように地続きって感じじゃなく、山々を越えてやっとたどり着く、そんなイメージ。だから、高知県に行く人は、福井のように石川県のついで、ではなく、「高知県に行く」と決め打ちで来る人が全体の45%いるそうなんですて。
まさに最果ての街。龍馬に会いに行く、という覚悟があってこそたどり着ける場所なのでしょう。幕末イメージがとても強くて、認知度も福井より圧倒的に高いけど、440万人もあながちホントなのかも…。
まず自分たちが楽しむ
だからなんでしょうか、イベントのいくつかを見ていると、とても“市民に向いている”感じがします。よさこい祭りは全国メジャーになっていますが、「どろめ祭り」(これはマジ行きたい! 日本酒一気飲みがメインイベントという笑)とか、「おきゃく」(これも行きたい! おきゃくとは、高知弁で「宴会」という意味なんだって。なんか飲んでばっかやな笑)とかは、市民が楽しむことで全国に発信されて行っている感じです。
これなんだよなぁ、って。自分たちが楽しむことでその楽しさが波及して全国に広がっていく。「なんか楽しそうなことやってるよなあ」って、興味を惹いて、調べてみて、実際に足を運ぶ。そして楽しんでいる地元の人たちと繋がる。でもって、その街を好きになる。この連続性が人と街を育てていくのだと思ってます。
この「おきゃく」ってお祭りは、よさこい祭りにおんぶにだっこだったことと、「商店街をなんとしても盛り上げないかん」という市民の想いが作りあげたもので、決して行政の声からスタートしたわけじゃないんです。それからいろんな団体がこの時期に合わせてイベントを絡ませて、総勢40ものイベントが開催されてるそうで。行政から「絡ませてよー」って言ってきたのはさらに後らしく、最初は突っぱねたとか(笑)
誰のためのイベント?
これもまたうらやましい流れです。市民からの動きに行政が支援する、というスタイル。トップの方から聞くとそうあってほしいと願っているのに、福井では行政のお金頼みのイベントが多くて、ないならやらない、なんて、街のことを何も考えてないような行動する人もいることに、辟易してるところです。
イベントをする理由は何でしょうか。街を盛り上げたいという願いから起きるんではないでしょうか。自分の懐を肥やすためではない、と思いませんか。イベントは継続することに意味があると思いませんか? 打ち上げ花火のように一時の盛り上がりでまちづくりは成り立ちません。そういうのって、自己満足と懐満足にしか見えないし、参加する人もそろそろ気付いて薄っぺらさを見透かされますよ。
高知県は一つの家族
今回、ちょっとしたニュースが高知発であったそうです。今回の事態で飲食店が打撃を受けている、ということで、議員さんや県職員が100人くらいで大宴会をしたそうです。時期が時期だけに、「何考えとんねん!」ってなったそうですが、実はそれを聞いた高知市役所の人たちも「負けてられん」と大宴会を始めたとか。
となればさらに炎上するわけですが、この本当の意味は、高知県のプロモーションにも関係することです。高知県は「高知家」として、一つの家族だ、というアピールをしています。誰も彼も高知県民は家族だから、助け合おうという意味です。だからこそ家族の一員である飲食店が困っているのなら、助けるのが家族だろう、という想いがあったそうです。
行政が主導してそういう取り組みをする、何ともうらやましいというか、自分たちが公言してることを実行に移す勇気、さすがだなぁ、と感心しました。もちろん、その時には誰も感染してないようです。高知県民の気質がここにも表れてますね。
とにかく飲む!
で、飲むんです(笑) とにかく男性も女性も飲むんです。飲むことに命賭けてるくらい飲みます(笑) 高知県は男女の差をあまり作らない風土で、ちゃきちゃきの女性ばっかりのようで、八金(はちきん)という異名を持っています。意味ですか? 調べてください(笑)
飲み会も独特で、お猪口には穴が空いてたり、置けなかったり。で、独楽が一緒に出て来て、独楽を回して向いた人が一気飲みという、巷の飲み会の風潮なんかガン無視の様相で(笑) さすがやなぁ、と感心しきりです。自分は当たらなかったので飲まなかったです。
でもって、屋台がそこかしこに出てて、これまた風情があるんですよ。でもって、そこで出してるのが餃子。よー餃子食べてます。宇都宮、浜松に次ぐくらいじゃねーの?? ってくらい。だけど、上位にも入ってない…。ここでこんなに餃子なのに、他の街はどんだけ食ってんねん! って感じでした。
再びの龍馬と驚愕の事実
翌日は「高知県立坂本龍馬記念館」に。桂浜の龍馬像見ずには高知県に来た意味がない、ってくらい、マストスポットです。
まあ、ここも幕末満載ですわー。土佐藩と福井藩って、結構幕末時には相当中心的位置にありました。福井の人なら知ってる、はず、の、坂本龍馬が松平春嶽公に5000両借りに来た話(高知では4000両という認識のようです)。この時春嶽公は龍馬に対して召し抱えたい、とのオファーを何度も出していたようです。それは知らんかった…(°Д°)
で、人物写真館があったんですが、そこには福井藩の人物が何人も。土佐の人たちは福井藩に対してかなり恩義を感じてるのと、かなり持ち上げてくれてます。それって、高知県に来なかったらわからなかったです。例えば春嶽公のキャッチ文は「龍馬が最も期待した大名」。藩を超え、立場を超え、深くつながりあってた二人だったと思います。福井は春嶽公の立場で見てたから、そういう視点は新鮮でした。
さてさて、桂浜の龍馬像、なんですが、ずっと海に面したとこやと思ってたら、小高い丘の上やったんすね。
この龍馬像、実は昭和3年に作られています。となると、全国の龍馬イメージとはずっとずっと前に高知県の人たちは坂本龍馬に対して尊敬と思慕の念を抱いていたということです。
今、いろんな龍馬研究がなされていると思います。何か本を買おうかと思ってましたが、高知県で出版されているのは礼讃のバイアスがかかってると思い、別のところで買おうかと思いました。別に卑下するわけでもないし、真実が知りたいな、と思ったわけです。幕末、さらに興味が沸きました。
で、今回1番ビックリしたのが、「桂浜では泳げない」ということ。いきなり深くなって、潮の流れが強くて、事故が多かったところから遊泳禁止になったそうです。鷹巣の海よりも深いんかな…。
さらに桂浜に面したところにある「桂浜水族館」は、こぢんまりしたとこですが、なかなか面白い取り組みをしています。オンラインでイベントをしてて、メディアでも取り上げられてました。
かなり駆け足な高知旅行でした。高知市しか行ってなかったですが、四万十川を代表とする自然がめちゃめちゃあるので、まだまだ見所は満載です。一度では見きれない場所です。決めうちで行きたくなる場所でした。間違いなく「どろめ祭り」は行きたいですわ(笑)
意外な1位
高知には自慢できるもの、もうひとつあります。「ミレービスケット」です。食べたことありません? ちょい固めの油で揚げた小さいビスケット。元々明治製菓が作ってたようですが、その生産権利のようなのを高知の豆屋さんが買ったらしく、以来高知県民のお菓子となりました。多分ミレービスケットのおかげで、高知県はビスケット消費量全国1位! 今回「必ずいろんな味のミレーがあるはずだ」と思ってましたが、ホントにありました(#^.^#)
ということで、今日から始まる「新栄ビアパーク」でミレーまつりしまっす! みんな来てね(ノ´∀`*)
堀川秀樹
土佐藩と福井藩との史実を全面に押し出し誰もが知っている坂本龍馬先生(先生と呼ばなくては高知県民に失礼)と我が松平春嶽公が激動の幕末にどのような関係にあり明治維新に向けどのような役割を果たしたのかを令和の合戦を繰り広げることにより表舞台で検証する事が出来るのではないか?と期待を寄せる福井人なのです。よって これより歴史に残る小競り合いを繰り広げ 新たに龍馬先生が訪れた国からの参戦を促し敵味方合いまみえる天下分け目の戦(いくさ)を仕掛けていきたいと考えるものである。