この前、日刊県民福井さんの取材を受けました。さらに東京から福井に来ている女子大生の子からもブログ用に話をしました。
いつもは取材するほうなので、自分の言ったことを他人が原稿にするって、ちょっと新鮮でした。そういいながらも若干の不安ってのもあるんですよ。いつも自分の思いを自分の言葉で書いてきたものだけに、果たして自分の言葉をきちんと理解して書いてくれるかどうか、って。
杞憂に終わったので良かったですが、やっぱりこっぱすがしいですよね(#^.^#) 日刊県民福井さん、ゆずさん、ありがとうございました！
ここで県民福井さんの記者さんがタイトルにしたのが「とんがった街」。
確かに言いました。新栄商店街はとんがってるお店が多い街ですよ、って。それも大分前から、それこそ二人でお店を開いた9年前から。
当時はほとんどシャッターが降りていて、いわゆるシャッター商店街、という言葉の通りの場所でした。エキマエのど真ん中にあるのに誰も知らない。「新栄商店街、、、どこですか？」そんな言葉を良く聞きました。「怖くて歩けない」、そんな言葉も聞きました。友人からは「なんでそんなとこに店出す？」、「駐車場もないのに人来るわけない」、「郊外にしとけ」そんな言葉だらけでした。
9年経った今、この商店街はどうなってると思います？ お店が純増している、全国でも稀有な存在になっています。そしてそのどれもがとんがってるお店ばかり。この、昭和感が爆発してるような空間は全国的に見てもなくなりつつある中、しっかりとお店が増えているという奇跡。いや、奇跡なんかじゃないと思います。みんながこの街の魅力に気付き、この街をを楽しもうと、この街を知ってもらおうと、それぞれがお店を出して発信し続けてきたからだと思います。
また、時代が追い付いた、とも言えるかもしれません。ほら、ファッションって巡りめぐって80年代が流行ってるっていうやないですか。今の言葉で言うならば昭和が「エモい」ってやつですか。ぎょーさん若い人たちが訪れるようになりました。
この、ちょっとアンダーグラウンド的な、でも、中に入れば「こんなんあるんや！」と驚かれるのが、今の新栄商店街のイメージです。
まぁ、いろいろあります。ボクサーパンツってだけでもとんがってますが、MAGOGALLERY、革製品、自衛隊グッズ、立ち飲み、猫カフェ、古着屋、インドネシア料理、キャンプグッズ、ブックカフェ、英会話教室、チーズ、と、ちょっと挙げるとこんな感じ。これからアイリッシュバーやポップコーンのお店もできます。
統一感は一切ありません笑 でも、統一感があるほうが、お店の印象って薄れると思うんです。それぞれがそれぞれのカラーでお店を作っていくことで、街はできていくのだと思います。
そう、ここはずっととんがっていた街。戦後、闇市からスタートしたこの場所は、80年代に最先端のファッションストリートになっていました。そして一旦どん底に落ちて、また復活するという流れです。
なんでとんがるか、っていうと、個性ある街を作ることが大事だからです。なんでそれが大事かというと、全国に広がる再開発というキーワードで金太郎飴のようになった街に今、誰も見向きをしないからです。便利さを追い求め、スクラップアンドビルドこそ正しいと思われた価値観が、SDGsが叫ばれている今の時代にマッチしてないんです。前時代的な価値観で動いているのは、そこに利権がある人。お金は大事ですけど、その人たちの声が大きいのは知っていますけど、街の価値観とは相容れない部分ってあると思うんです。
街って、これまで培ってきた人々の歴史が積み重なってできています。福井市は確かに第二次大戦後からの街です。その営みが、今も残っているのが新栄商店街なんです。中身は時代に合わせて変わっていきます。でも、器である商店街は当時の面影を今も残して存在しています。
この周辺はすべて再開発のエリアになっています。ここだけが、やっぱり取り残されています。でも、それでいいんです。店子は再開発に反対してますけど、実は地主家主の方々もそこまで再開発を求めていない人が多いということがわかりました。ただ、貸したいけどその手法を知らない、ということでした。
新栄商店街は福井の戦後からの文化が息づく、エキマエで唯一残っている“器”。モノではなく人に場所に会いに来る場所。それが、とんがった街を作っていくんです。
2020年、福井市がスローガンを打ち出しました。「とんがろう福井」。そのずっと前からとんがってきました。それがまちづくりの最善の方法だと思っていたからです。聞いたとき、やっと時代が追い付いたか、と感じました。あと数年、みんなでとんがれば、一時の賑わいではない、持続可能な街ができていくと思います。みんなでとんがりましょう！
