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審査員として
来てしまいました。与論島。ちなみに与論島って何県かわかりますか?沖縄県じゃあないです。鹿児島県です。鹿児島県の最南端、沖縄本島も見える場所にあります。
さて、何しに来たのか、といいますと、『日本国際観光映像祭』の出席のために来ました。このイベントって何? という人も多いでしょう。だって今回で4回目。まだまだ知名度も足りません。その名の通り、日本で開催する国際的な観光映像のコンペティション、です。
コロナになってますます観光ヤバいよね、ってときですが、でも今がダメだから今やったって…じゃなくて、これから旅が復活していく中で、今のうちに人を呼び込むツールを作って発信しとかないと、って思いもあると思いませんか? 国内ならばそろそろ行けるタイミングも見えてきたし、今がチャンス、という考え方もあると思いませんか?
むしろ観光誘客が盛んな自治体などはその思いが強く、今回も集まりに集まりました。その数国内部門201本、国際部門1542本! 過去最高の応募本数があったそうです。さらに映像祭では受賞式のほか、これからの観光について語るフォーラムもありました。ライブ配信をしていましたが、アーカイブとして閲覧できます。
第4回日本国際観光映像祭
開催日:2022年3月16日、17日
Day 1 https://youtu.be/7oXNGJZtd6c
Day 2 https://youtu.be/34lQVA2F2Ho
プログラムの詳細は、映像祭の特設ホームページから。
特設ホームページ
https://award.jwtff.world
また、応募作品は公式ホームページのギャラリーから見ることができます。
公式ホームページ
https://jwtff.world
そのイベントの何故か日本部門審査員に選ばれておりまして…。ムービーハッカソンとか駅前短編映画祭とかやり続けてきたご褒美だと、真摯に受け止めています。遊び、じゃあないです、多分…。ただ、時間もあるのでちょっと観光くらいはさせてもらいます。
後ろ髪、引かれながらも
空港前で前泊して、朝6時前に空港まで歩いていくから暖かい格好をしていましたが、空港からは夏の空気感。速攻空港のトイレで着替えてアロハになりました。昔は派手好きで意外とアロハシャツがタンスの中にありまして…。
今回チョイスしたのは、今から22年ほど前にワーキングホリデーで住んでいたニュージーランドで買った、と思われるものが1日目。2日目は和歌山県白浜町の公式アロハシャツでした。白浜町の人が気付くといいな、って感じでした。
さらに中にMAGOのリサイクルポリエステル100%Tシャツをチラッと見せることで、「なんじゃあのTシャツは?」と、MAGOにたどり着いてもらえるといいな、って感じでした。この時点では気付いていなかったんですが、3日目の服を入れてなかったという…。
いや、ホント、後ろ髪引かれながらの渡航だったんです。仕事あるし、仕事あるし、仕事あるし…。お土産たんまり買ってきましたので許して…。それに若干の不安さもありました。コロナとかなんとかではなく、福井を離れることが。渡航の間でも地震とかあったでしょ? 心配でした…。でも、与論島で得たものはとてもとても大きいものでした。それを福井にフィードバックしていきたいと思います。
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さてさて。飛行機のなんと早いこと。だって大阪から鹿児島まで1時間、鹿児島から与論島まで1時間半。福井から大阪の移動時間約2時間を加えたら、4時間半で与論島に着くわけですねー。福井東京間が新幹線で3時間半。ちょい足しで真夏のビーチに着いてしまうわけですねー。与論島って聞けばリゾート、ってイメージですから、サンゴでできた青い海と白い砂のアイランド、って描いていたわけです。
やっぱりキックボード
与論島、初めての土地です。でも初めてじゃないくらいの雰囲気を醸し出していたそうです。まぁ、アロハシャツに短パンでサングラスやもんな…。でも初めてです。お迎えに来てもらった車を自ら運転して、ブイブイ進むわけですよ。
お迎えの方は女性であまり運転も慣れてない方。とりあえずメインの周遊道路(地元の人は県道言うてました)さえ押さえてれば、という感じだったんですが、いやいや、与論島は地図を見る限りではいろんな道がありそうで、方角さえあってれば着くやろ、的な感覚でブイブイ進むわけですよ。それが彼女にとってツボったらしく、その後もいろんな道を試してみました。
これがねぇ、おもろいんですよ。途中で方角がわからなくなって、高台から見える建物と太陽の位置を確認して進むとだんだんと道が狭くなったり、いつの間にかどっかの敷地内に入ってしまったり。かと思えばちゃんと道に戻れたり、と。もし運転が好きなら与論島はオススメです。その際は軽自動車借りてください。その方が圧倒的に楽しめるから。
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そしてそして、それ以上に道を楽しめるのが、はい、ポーランドで味を占めてしまった電動キックボードです。もっと狭いとこに行けて、撮影したくなったらいつでも止まって、気になるお店があれば、いつでも寄り道できて。最近道交法改正があったでしょ? 確か時速20km以外のものならば免許不要でヘルメットも任意だったはず。新しいものができれば社会はそれに合わせていくから、この移行期に乗れたのはとてもよいタイミングでした。
坂道の島、与論島
でね、乗ってるとおもろいんですよ。みんな挨拶してくるんです。老若男女。小学生が特に。みんな挨拶してくるんです。素敵ですよね。電動キックボードは以前与論島でプロモーション的にやってたらしいんですが、じゃあビジネスに、ってなったとき、誰も手を挙げなかったみたいで…。
今は一軒だけが扱ってて、島に2台しかないから目立つ目立つ。「最近見なくなったから珍しい」って島の人に言われました。これ乗ってるのって、間違いなく観光客だから、さらに珍しいですよね。
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で、電動キックボードに乗ってるとよくわかるんですが、与論島って坂道しかないんですよ。飛行機から見た風景は高い山がないから平たく見えるんですけど、サンゴが隆起してできた島で、実は凹凸が激しいんです。
だから上り坂になれば自力でキックしながら上がらなければならない、ってのが玉にキズです。でも、歩くよりは早くて、自転車よりは体力を使わず、それでいて細い路地なんかもスイスイ行けるわけです。マジオススメです。
「日本」が残る素朴な島
で、地図で見てイメージする与論島と、実際に走る与論島はかなり違う、ってのがわかります。最初に描いていたビーチリゾートアイランドの期待は、いい意味で裏切ってくれました。通った道、出会う人、その全ては「素朴」という一言で語ることができました。
これは決して悪い意味では使っていません。むしろいい意味で使っています。作られていない「日本」がある町だ、ということです。島特有の名物(これから【ヨロンアイランドビーフ】ってメジャーになってくと思います。覚えておいてください)に頼りきらず、普通に食堂があり、普通にカフェがあり、普通に商店があり、普通に人の営みがありました。
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もちろん、家の造りも畑の栽培物も違うから、南の国ってイメージはありますが、何て言えばいいんだろ、昭和な風景といえばいいのかな、手付かずの町というか。リゾート地にあるような非日常感というより、日常を感じられる場所、って表現でしょうか。
例えば、建物が古くなったら建て替えたりして、その際は時代にあった姿になるので、最初は違和感があるけれど、だんだんと似たような時代の建物ができていけば、数十年はそれらの建物で町のイメージができていくじゃないですか。
でもこちらは極力リノベーションで賄う、といえばいいのかな。だから昭和、なんです。ある意味新栄商店街の南国版、って感じでした、自分の中では。だから一目で好きになったんです。
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民俗という言葉に目がない
あと、ここだけは行ってみたいと思っていたのが『与論民俗村』。海じゃないんです(笑)。いやビックリ、与論島だけで60くらいビーチがあるそうです。だからハイシーズンでも静かなビーチもあるみたいです。いうても今は海に入るような時期ではないのでとりあえず見るだけ、っちゅうことで。大学院で民俗学を学んでいたので、やっぱり興味あるんです。
面白いのが、この施設は行政の物件ではなく民間の施設だということ。与論島の文化を伝えていこうという気概のある方が作られた私設資料館でした。旧来の家を再現した建物は、与論島の環境に合わせたものになっていて、家の形がスクエアなのは台風の影響を受けにくくするためなのだとか。同じ面積ならば風雨をバランスよく流せるそうです。茅葺きの家も急勾配の円錐形。これも台風をしのぐための知恵なのです。
最近琉球畳ってのが使われるようになりましたが、実は3つの定義のうち2つを満たしていれば琉球畳って呼ばれるんですって。
1)縁がない
2)半畳分の大きさ
3)琉球イ草(七草イ)を使ってる
ほうほう。一番作りやすいのは1と2ですねぇ。琉球イ草は比較的強度があって柔道の畳にも使われてるそうです。江戸時代の頃から大分でも栽培してるみたいですね。
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松尾バナナ
あと、ずっと気になってたのが、与論島の伝統工芸「芭蕉布(ばしょうふ)」。芭蕉って言ったらすぐに思い出すのは松尾芭蕉。俳人は流石にここまで来てないやろ…、なんて、なんでそういう発想やねん、って一人で頭の中で突っ込んでたんですが、これは「糸芭蕉」という木から糸を作り編んでいたから、なんですわ。いかにもな南国の木ですよ。バナナに似てるなぁ、と思ったら! バナナの仲間!
そしてバナナは洋名であって、和名は「実芭蕉」とな! え? マジっすか!? さらに、松尾芭蕉の芭蕉もこっちの南国の芭蕉の木(これが糸芭蕉なのか実芭蕉なのかは不明)から付けられたとな! え? マジっすか!? 福井県民だからなのか、芭蕉と聞くと水芭蕉を想像してたので、ずっと花の名前から取ってたと思ってましたわ…。
調べるとわかるんですが、芭蕉の木と水芭蕉は、名前は同じでも科目が元々違うそうです。水芭蕉はオモダカ目サトイモ科(サトイモ!)ミズバショウ属ミズバショウ種、糸芭蕉はショウガ目(ショウガ!)バショウ科バショウ属リュウキュウバショウ種。そうなんや…。これがこの旅で一番ビックリしたことでした。
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南十字星の丘
今回の映像祭の会場となった『サザンクロスセンター』。何の建物だろうと思ったら、こちらが行政運営の民俗資料館でした。国の無形民俗文化財にも指定されている十五夜踊りを始め、与論島の歴史や文化を伝えています。
与論島は南十字星が見える北限の地らしく、5階建ての展望デッキから星空を眺めたら相当きれいでしょうねぇ。ちょうど今回は満月で真夜中でも煌々と夜を照らして星は見えなかった…(泣)。
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こうしてみると、島特有の、とか、島限定の、とかってのは、この地域ではあまり考えない方がいいな、って思います。どうしても、島と島は海で隔てられているから、例えば日本が世界においてガラパゴス化という現象が起きているように、島特有のと思ってしまうんです。
が、沖縄から奄美までのエリア全体で文化というものを考えるべきなんですね。先ほどの「十五夜踊り」にしても、仮面をかぶって神に祈るスタイルは、名前も形も違うけれどエリア全体に広がっています。
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何故自分は民俗学に惹かれたのだろうと思っていました。その理由がおぼろげにわかってきています。祭りとか行事って、その地域が抱えていた悩みや、その地域の人々が抱いた希望を形に表わしたものなんですよ。その祭りや行事を地域で継続しているというのは、その地域がずっと思い続けてるものなんだと。
つまり、祭りや行事ってのは、その地域のアイデンティティーであって、その地域の人々の“軸”であり“芯”なのだと。それがあれば、町は明日に続いていく、のではないでしょうか。アイデンティティーがあるからまちづくりができるのではないでしょうか。まちづくりができれば観光客が理解できる観光地になるのではないでしょうか。
そうした人々の思いが集約されたものが町の風景だから、観光地で行きたくなるのは海や体験とかじゃなく、人々が辿り、そして伝え続けた道なのだ、と。だから道に惹かれるのだと、感じています。
人に会いに行きたくなる島
周遊道路を走っていてはわからない風景が、”中道(なかみち)”にありました。サトウキビの畑や、牛舎がずらっと。そしてポツンポツンと商店、いわゆる食料品から生活用品まで扱うお店が点在してるんです。あとはうねうねとした道が縦横無尽に。だから方角がわからなくなるんです。どこがどことつながって、今どのあたりを走ってるかがわからなくなるというか。
そうしてると地元の方にふと出会って話になるわけです。こっちは電動キックボードだからすぐ観光客って見破られる(笑)。観光客が間違いなく通らない道を進むから驚かれる(笑)。牛は気になってこっちを向いている。太陽はジリジリと肌を焼き続ける。そして見覚えのある道に遭遇して安堵する。
と同時に道や建物、ランドマークの地図を頭の中にインプットする。自分にとって、旅の楽しさって「道を知ること」のようです。そのときに出会う人、お店、風景、それが自分の経験になって場所をインプットしていきます。
旅のスタイルは千差万別です。例えばリゾートホテルでのんびり、ってこともいいでしょうし、体験をとことんやり尽くすってこともいいでしょう。美味しいもの食べ尽くすってのも魅力的です。それを楽しみたい自分もいますし、楽しめる自分がいます。が、与論島に関して言えばそれらの楽しみ方よりも、島の人に会って話をして島のことを知る楽しみ方の方が向いているなー、って思いました。
与論島にも体験ものはたくさんありますよ。海は抜群にキレイですよ。ウミガメに出会えたり、引き潮でできる砂浜もあったり。毎朝なくらいに人々は砂浜のゴミ拾いをして海を大切にしています。でもね、海を大切にする町はたくさんあって、キレイな海もたくさんあって、ウミガメも出会える場所があって、リゾートホテルがバンバン建ってる場所があるんです。
だから、そこに負けないように作る観光は中心に据えずに、「おかえり」っていつも言ってくれる、“人に会いに行く島”を中心に据えると楽しいのかなー、って思いました。
ホスピタリティ≠おもてなし
役場の方ともお話をしました。「島の魅力はなんですか?」と訪ねると「人のホスピタリティです」と即答されました。島の方もわかっていらっしゃると思うんです。島の宝とは島の人だって。ただ、そこに振り切るのは不安だともおっしゃっていました。
そうですよね、だってお隣はビーチリゾート。自分だって奄美群島から沖縄県までのエリア=リゾートアイランドと思っていましたから。でもそれを覆しても来たくなる魅力があった、ってことです。会いに来たくなる人たちに出会った、ってことです。
ここで間違えてはいけないのが、「ホスピタリティ」=「おもてなし」ではない、ってことです。下手をするとサービスがいい、とか、何でもしてくれる、とか、観光客の中でも旅の恥はかきすてってくらいに横暴な振る舞いをするトンチンカン野郎どもが勘違いをします。ここでの「ホスピタリティ」って、居心地が良い場所を作ってくれている人たちがいる、ってことです。
今回の1日目午前中のセッションで審査員の本田勝之助さんがおっしゃってたんですが、観光のあり方が変わったと。昭和はseeing、平成はdoing、そして令和はbeingだ、と。つまり、観光客と島の人がそれぞれを受け入れ合う、「ここにいていいんだ」と思わせてくれる居心地の良い場所こそがこれからの観光で求められていく、ってことです(よね?勝之助さん?)。
それは一朝一夕でできるようなものではありません。永い年月をかけて人々が培ってきた町のDNAによるのだと考えます。与論島はその素養を既に持ち合わせていました。素で居心地の良い場所を作っていたんです。
今回、『日本国際観光映像祭』でムービーハッカソン的な感じでクリエイターさん3組が数日で与論島の魅力をそれぞれ映像作品にしたのを見ました。見事に人にフォーカスしていました。つまり、そういうことなんだと思います。作品に収めたかったのは人の営みだったんです。伝えたかったのは人の思いだったんです。その先にbeingな島を映し出しているんです。そのセッションは司会をやらせていただいたので、1日目のどこかでしゃべってると思います。
エヴァンジェリストとして
この映像祭に関わった、映像が好きな方々、与論島で出会った方々、いろんな方と出会い、話し、笑い、理解しあった2日間でした。そのとき普通に話をしていたのですが、皆さん口を揃えて「福井に行きます!」と言ってくださったんです。「なんか、福井面白そう」って言ってくださったんです。
恐竜とか永平寺とか朝倉氏遺跡などの観光地の話は一切してなくて、戦国時代や幕末動乱期など歴史の話も一切してなくて、淡々と自分の活動や新栄商店街の話だけをしてました。あぁ、そうか。自分の役割とは福井のエヴァンジェリストなんだ、と認識させてくれました。エヴァンジェリストっつってもわかんないですよね。エヴァンゲリオンが好きだから使ってるだけで(笑)、日本語に訳せば「伝道師」。訪れたくなる福井を伝える伝道師なんだ、と。
実際に“本業”の『月刊ウララ』を2019年にリニューアルするとき「福井は深い、福井は面白い」というコンセプトを打ち出しました。福井にはまだまだ知らないことがある、魅力的な人がいる、それを書き留めて後世に残したい、と、紙媒体としての未来のあり方を考えてリニューアルをして、そういった誌面展開をして、伝えてきました。
それは高校生の頃から考え続け、実践し続けてきた福井のまちづくりを完遂するためにも必要なことだと感じていたからです。それが「福井は面白い」を地で突き進む自分を作ってきたのかもしれません。
これは自分が福井に生まれ福井で育ったから福井を面白くしていこうとしているだけで、他の町でも同じことができると思います。つまり与論島でも「与論島は面白い」と思って実践する人がいればいるほど「なんか、与論島面白そう」、「与論島行きます!」って人が出てくるんではないかな、って思います。
それが直接移住という形にできるのも、与論島の魅力だと思います。何故か。与論島の人たちはいつでもウェルカムだから。それは与論島の人たちのDNAであり、もっと打ち出してもいいんじゃないか、って部分。きっと、行けば好きになる。暮らすように旅ができる与論島。是非、作品を見て訪れてみてください。
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おまけ
帰りの飛行機、偶然にも映像祭をお手伝いした学生さんと隣同士になりまして、ずっと話をしてました。物事の本質を見極める考え方、聞く力の本質など、これまでの経験から伝えていました。「宮田さんの話はすっと入ってくるんです」。あぁ、そうか。エヴァンジェリストとは伝わる言葉を確実に伝えられる技術を持つことなのか。「伝えたい人に伝えたいことを確実に伝える」、それって“本業”のDNAじゃないか。やっぱうちの会長は本質を見抜いていたんやなぁ、とつくづく感じた旅になりました。
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