
今日の記念日
5月11日って、いろんな記念日があるみたいです。日本記念日協会によると「ご当地スーパーの日」とか、「ご当地キャラの日」とか、民間企業で「NagaseVitaの日」とかもあるみたいで。でも、昨年制定されたのが「みんなで食べようおろしそばの日」って、ながーーい名前の記念日(笑)。
もちろんこれは福井発の記念日。越前市のおそばの会社『宗近』さんが申請して制定されたもので、昨年のこの日、ギネス世界記録に認定されたことをやってのけたからです。
「8時間以内で販売されたそばの最多食数」
という、誰も思いつかない、けど、実は記録として存在していた世界記録を塗り替えた日でした。昨年、前職を辞めたばかりでいろんなことしようと、かるーーーく「手伝いますよー」と言ったら、がっつりお手伝いすることになり、場外の長蛇の列をいかに効率よく並んでもらうか、って役割やったんですが…。
去年のギネス世界記録

まーとんでもない事態に陥りました(汗)。元々の世界記録が確か2500杯くらいだったのかな、それを超えるのが目標だったので、そのくらいの提供スピードと杯数で予測してたら!
想定をかるーーーく上回り、長蛇の列が開始1時間でできてしまい、1人あたりの食べる数も想定の倍以上で、泣く泣く開始1時間半ほどで締め切ってしまったことがありました。
それでも記録は更新して4013杯とめでたくギネス世界記録となったんですが、やっぱり初めてのことでいろんな課題もたくさんあったのはあったんです。次するならこうかなー、とか。でも、その「次」はないだろうと、たかをくくっていたら!
「今年もギネス世界記録の更新するので手伝ってください」

とな! マジか! やるのか! 奇しくも去年とカレンダーは同じ日の5月11日。今回はテレビ局がお手伝いしてくれるってことだから、自分は目立たずにそのサポートに徹しようかど思ってたら、がっつりメインかいな。
まぁ、仕方ないすよね。去年の経験者でもあるので、何をどうしたらいいのかはある程度理解できているしね。でも人数が増えたのはとても良かったこと。去年は結構カツカツの人数で回してたから、余裕があったというか。
だから、その余裕を伝えることがいいかな、と、場外メンバーにはまず必要なことを伝えました。誰もが初めてのことなので、まずは緊張させないこと、愉しむことが大事だと。
イレギュラーは必ず起きるもの。そのときにどうするかを考えればいいけれど、そこらへんは想定内なので、イレギュラーで緊張感を出して、あとはアドバイスだけして自分で考えて行動するのが大事かと思いました。
スタッフ総勢145人と、もうそれだけで自分は余裕持てました(笑)。これなら大丈夫、何かあっても対処できる、そう思っていました。列のコーンも昨年と違って大量投入して準備万端、並んでも並ばなくても行けるだろうと。
福井=おろしそば

しかし、ホントに福井の人はおそばが、特におろしそばが好きなんですよ。温かいそばは、いわゆる駅の立ち食いそばくらいしかイメージが沸きません。真冬もおろしそば、年末の年越しそばもおろしそば、とにかくおろしそば。
おろしそば、って言葉は、あまり全国では使わないみたいですね。他県に行ったときに見たのは「ぶっかけ」だったかな。そもそもおそばと大根おろしを一緒に食べる習慣がないようです。でも福井ではメジャー級のメジャーレシピ。むしろそれしかないくらい(笑)。だってみんなそれしか食べないんだもん、美味しいの知ってるから。健康にいいの知ってるから。

いろいろ調べれば出ますが、ここは「福井県観光連盟」サイトから引っ張ってきました。
そばにはポリフェノールの一種である「ルチン」が多く含まれ、動脈硬化や高血圧などの予防に最適。また、大根おろしに多く含まれているビタミンCは「ルチン」の働きを高める効果があるので、そばと一緒に食べることで相乗効果が期待できます。さらに、大根おろしには消化吸収を助ける「ジアスターゼ」や「アミラーゼ」という酵素が豊富に含まれており、消化にもいいんです。
そういうことです。福井の人でも成分などここまで詳しくは知らないですが、「おろしそばは健康にいい」ということは、ある程度認識している、かな。だから長寿県とも言われたことがありました。今は落ちましたけど…。
2025年5月11日

さて当日。朝7時集合とのことだったので6時50分到着したら、驚かれました。あ、現代の普通はオンタイムなのか…。愛読書『ゴルゴ13』はオンタイムに現れるけど、実はずっと前から来て周囲を確認し、依頼人の前にはオンタイムに現れるって感じだから、いつも10分前行動を意識してたけど、この感覚ってもう古いんかな…。まぁ、これも自分に余裕を作るため、ってことで自分は今後も10分前行動していきます。
そしたらまぁなんと、列の一番前に人がいるじゃないの。去年あって今年はお客さんも少し余裕持って来るんかな、と思ってたら、気合い入ってる人はやっぱりいたのね。でもありがたいですよね、こうしてスタート2時間前にいてくれるって。おろしそば冥利に尽きます。
次々とスタッフが揃い、配置もして、ギネス世界記録のための記録、朝9時スタートの動画撮影も終えて、あとは行列をどう効率よく並んでもらうかだけでした。去年との決定的な違いは、おそばの提供スピード。5倍、いや10倍のスピードで提供されるから、むしろ渋滞するのはチケット販売所だな、と。でもこれは仕方ないことなので、行列はできていきます。
ただ、これも宣伝効果なんだろうと思いましたが、「最後まで食べられます」と謳い続けてきたので、分散した感覚はありました。最初からトップスピードで並ぶとは思いましたが、それもお昼までの3時間だろうと。事実、昨年のような混乱はなく、怒号もそこまで飛び交うことなく、想定していたコーンの列も使うことなく、雨も降らず、みなさんたくさん召し上がっていました。
杉様
そしたら見慣れた顔が…! 杉様! 一人で! 普通に並んで! あ、杉様というのは、杉本達治福井県知事のことです(笑)。先月、NPO法人きちづくり福井の毎月のライブ配信「きちふくTV」に突然ゲスト出演してくださり、昏々と県政の姿勢について話してくださりました。

ずっと前から知事のことを、頭の回転が早い出来る知事と、親しみのある知事と感じていて、尊敬の念を込めて「杉様」と呼んでいました。が、本人の前で言うことはなく、このタイミングで言おうと伝えたら! その答えは動画で確認してください(笑)。やはり杉様は県民に愛されている知事だな、とは並んでいるときも食べているときも思いました。生涯福井県知事でいて欲しいくらいの存在です。
そして記録更新
記録更新は確実なのはわかっていましたが、あとはどのくらい更新するか、でした。目標10000杯ではありましたが、そのペースは行けるのか、が、当面の課題ではありました。目視での感覚では、去年よりも1人あたり1杯〜1.5杯の少なさというか。ただ、1時間あたりの暫定数がある程度出てきたので、これは目標は行くだろうと。あとは10000杯からどのくらい伸びるか、でした。これは無理やり食べていただくわけにはいかないので、見守るしかありませんでした。

そして最後の提供が終わり、抽選会も終わり、最終結果。
12018杯!
もうこの記録が破られることはないでしょう、多分。そば処の県が税金使ってでも更新したるわ! って気概がない限り、破られないだろーなー、とは思いました。
最後まで残ってくれた会場から万雷の拍手。やっぱり感動しますよね。このイベントに関わらせてもらって良かったと、心から思いました。

誇りを持てること
福井はそば処。ソウルフードはおろしそば。それを再認識させてくれるイベントでした。本当に福井の人はおろしそばが大好きです。たった一つのメニューしかない食のイベントに、これだけの人が集まり、これだけの感動が起こせるのは、そば好きである証左です。

これは福井の誇りを作る、記録にも記憶にも残る事業です。このイベントを仕掛けた『宗近』さんの心意気にただただ感心するばかりです。自分の商売が地域の誇りであり、その誇りを世界に発信する。それが福井の人に誇りを持たせてくれる。この流れがあったから、そして『宗近』さんにその姿勢があったから、自分は積極的に関わったのだと今は思います。
今年もいい誕生日を過ごせました。ありがとうございました。自分の誕生日が福井の誇りになる記念日になったことが、心から嬉しく思っています。
Happy Birthday to me.
福井のそば粉って日本で一番美味しいと、料理人目線から言ってそう思ってます。行政に頼まれて福井でそば粉のガレットのお店をしばらくやってましたが、香りも旨味も最高でした。もっと福井のそば粉をブランド化したいですね。応援してます。
ありがとうございます!