最近の活動

最近は「福井で映画、といったら宮っさん」と言われるようになりました。ありがたいことです。いわゆる「脳内検索第一位」になっている、ってことなので。
昔は「ウララ、といったら宮っさん」という言葉をたくさんいただきました。それもまた脳内検索第一位ではあるとは思うのです。
では、ウララと映画、どう違うのかというと、外からの印象的に「食えてるの?」ということです。映画を撮影して発表しているというより、映画を撮りたいという人のお手伝いをしているのが主な動きなので、そこに手間賃とか発生するのか、と言われたら発生していません。いわば「一人フィルムコミッション」的な感じですね。
なので、いつも貧乏です(笑)。なので、一番得意な物書きの仕事を請け負っています。今年は福井県観光連盟の「ふく旅ライター」というのに応募したら、先方も困惑しながらも(笑)、採用してくれて今春よりライター活動します。

画商もしています

そしてもう一つ、長坂真護くんの絵を売っています。福井駅からGooglemapでは徒歩5分、新栄商店街の「コノジナガヤ」2階に“長坂真護専属展示販売常設ギャラリー”(長いな…)「MAGO GALLERY FUKUI」を運営しています。
ここは来廊された方に彼の活動を説明して共感してもらい、コレクションして彼を応援していただく場所です。24年には西武福井店での個展もお手伝いしたし、昨年は金津創作の森の大型個展もお手伝いしました。あ、画集も特急で作りましたので、是非ご購入ください。内容はギャラリーに来ていただければ見ることができます。
で、彼の作品を説明する際、電子廃棄物の話、つまりガーナの現状、ひいては資本主義社会についての話になります。この話が一番、他の美術家との決定的な違いになります。
新宿の路上から世界最高学府へ

2017年だったかな、彼から突然LINEが飛んできて「ガーナの行き方を教えてほしい」って来たもんだから、ガーナ? なんでまた? と「?」マークはたくさん浮かんだけど、きっと何かあるんだろうと「とりあえず大使館に行ってこい」って送ったのを覚えています。そこから先は、ブログで書いたのでこちらをお読みください。
で、さらにその先、今年に入っての流れがまあ大変です。9月より渡米します。研究者として、なんとなんと、スタンフォード大学に通います! 工業高校出身、大学に行っていない、かつて歌舞伎町のNo.ホストから新宿の路上の貧乏絵描きとしてのジェットコースター的な人生を歩んできた彼が、世界最高峰の学府に行くとは!
そのきっかけこそがガーナであり、ガーナシリーズの作品であり、そこから編み出した「サステナブルキャピタリズム」という概念なのです。日本語に訳せば「持続可能な資本主義」という意味です。
サステナブルキャピタリズム

私たち日本人は生まれたときから資本主義社会の下で生きています。資本主義は自由に競争をしてお金を稼ぐ世界です。だからお金を持っている人が偉い、というか、力を持つ、というか。そんな風潮ですよね。
これが行き過ぎると、お金を稼げればどんなことをしてもいい、ってことになります。合法違法関係なく、相手の気持ちも考えずに、お金を稼いだ人が一番、ってなことになります。
だから、作って売る、売ったお金で投資をしてまた作って売る、さらに大きな投資をしてさらに作る、にはなるんです。それが売れるのならば。もし、売れないのに作るとどうなるかというと、捨てられるわけです。
前に中国に行ったとき、電車から見る風景に異様さを感じました。広大な敷地に売る前なのか売れ残っているのか、新品の電気自動車が雑然と置かれていました。見るからに余剰生産って感じはしました。そこからニュースでは電気自動車がだぶついているニュースが流れて、やっぱそうか、って。
つまり、お金儲けのためだけに売れないものを作り続けて、そしてそれらは自然に分解されることもなく捨てられる、ってことです。それが世界的に見ると、自国内だけではなくガーナのスラム街にあるんです。
資本主義という名の“闇”

東京ドーム30個分、ともいわれるさらに広大な敷地には、世界各国から持ち込まれた、もしくは捨てられた電子廃棄物があります。更に生ゴミも同様に捨てられているので、カオス以外の何物でもない場所なのです。
それでもこの場所に住む人たちはいます。その数約30000人。彼らはそれら電子廃棄物を毎日燃やしています。その理由は電子廃棄物から金属を取り出して売るためです。燃やすのが手っ取り早いから燃やすんです。
電子廃棄物の外側はプラスチック。燃やせば有毒性の煙が立つのがわかります。それもわかった上で燃やしているのです。何故か。そうしないと生きていけないから。毎日10時間近く燃やし続け、得られる報酬は5ドル前後。
もうわかると思いますが、スラム街の彼らはその煙を吸い続けて生きています。煙は大気にばらまかれていきます。燃やした電子廃棄物から金属を取り出すために水をかけ、土壌に溶けていきます。汚水は巡り巡って川から海に流れ着いていきます。吸い続けた彼らは当たり前ですが体調を崩し、30代で亡くなる方が多いのです。
大気汚染、土壌汚染、水質汚染、そして人権侵害。良くないって小学生でもわかることです。でも彼らは止めることはありません。何故ならそれしか仕事がないから。これもまた資本主義の一面。
一方通行の資本主義

これが、私たちが享受している資本主義のもう一つの顔、というか闇です。私たちは当たり前のように新商品が出たら買い替えたりします。まだ使えるものでも新しい機能を試してみたいから買い替えます。
では、使い捨てた家電製品は一体どこに行くのでしょう? そんなこと考えたことない、って人が多いのも事実。もちろんリサイクル料金を支払って引き取られたりするので、リサイクルしているところも多いです。いわゆる「都市鉱山」と呼ばれるレアメタルが電子廃棄物の中にありますから。
それでもそういうのは一部であり、もう一部としてガーナのスラム街に流れ着くのです。もちろん海を漂流して、ではないですよ。船で運ばれているんです。使えないのに。
いろんな推測はあるでしょう。どれが真実かはわかりません。しかし現実として広大な敷地に電子廃棄物は転がっていて、人々はそれらを燃やして暮らしています。この場所を見ると、資本主義は一方通行の、地球にあまり優しくないシステムです、“今の資本主義”のままでは。
それを変える、アートでガーナの人たちを、そして地球を救う、と動き出したのが、福井出身、美術家・長坂真護なのです。その取り組みが「サステナブルキャピタリズム」であり、その根幹の考え方が彼なりの「相対性理論」なのです。
相対性理論について

いきなり相対性理論? って思うでしょ? 自分も最初、「?」しかなかったけど、でも確かにそうだよね、って。てか、むしろそうなんだろうね、って今は思います。
今秋には渡米するのと、ちょうど名古屋で個展が開催されていたのと、そこで相対性理論についてのトーク&ライブペイントをするってことだから、これは行くしかない、と。ある程度は理解しているけれど、より詳細にと思って、車で名古屋までやってきました。彼の相対性理論をより皆さんにわかりやすく伝えるために。
まず相対性理論とは。E=mc²って公式があります。いわゆるエネルギーと質量は同等である、という式なのですが、これが彼が初めてガーナシリーズを発表したときに体感したことです。
それまでは、彼の作品は100万円でも高い、数十万円が相場だったのです。しかしガーナシリーズを発表したとき、いきなり1500万円という、まさしく桁違いの価値が付きました。
それはそれはビックリしたと思います。では何故その価値になったのか。これまでとは違う画材で描いたから? 電子廃棄物を使っていたから? 例えば日本にも電子廃棄物はありますし、それを使って作品を作ることもできます。
しかしその電子廃棄物が落ちていた場所が、価値を生み出していたのです。資本主義の見て見ぬふりをしていた闇が、光輝く表舞台に出てきた瞬間、一気に価値を生み出した、そう考えます。
エネルギーが相対的に価値を生む

縦軸横軸のグラフを考えてください。時間というか、先進性が横軸の右を、その逆が左を、経済の豊かさが縦軸の上を、その逆が下を指しています。
先進国の位置はグラフの右上にあたります。この右上の位置でまさに1500万円という価値があります。ここで相対性理論の登場です。グラフにおける中心点から右上の距離は、同距離の左下の距離と同等である、ということです。つまり、ガーナのスラム街の持つ”資本主義の闇のエネルギー”は、1500万円という”先進国のお金という質量”と同等だ、という結論に至りました。
彼はそのガーナのエネルギーを先進国に持ってきた5%くらいの労力だ、と認識し、それが10年経った今も自分の報酬を5%と決めて活動しているのです。100万円の作品がコレクションされても、彼の報酬は5万円、そう決めているのです。
何故なら、彼が生み出す作品は彼の懐を温めるためのものではないからです。ガーナの人たちを救い、地球を救っていく、そのために始めたものだからです。
伴走者としてコレクションする

私たちはガーナに行くことはそうそうできません。でも今も、ガーナは先進国の資本主義の見えない闇を抱え、毎日電子廃棄物を燃やして暮らしています。
自分たちは行けないけれど、彼と彼の仲間たちはガーナに行き、スラム街の人たちと交流し、産業と雇用を生み出す活動をしています。それがひいては地球環境を良くしていく、持続可能な資本主義を作り出していくことを強く信じているから。
彼の作品をコレクションするということは、私たちは行けないけれど、彼らが活動する費用として使われるということ。つまり、同じく地球環境を良くするための彼らの伴走者でもあります。
真護くんはこの秋、渡米します。毎日ひたすら絵を描き続け、毎日ひたすら英語を勉強しています。渡米の意味、それはこのままでは本当に地球が壊れると感じているから。一刻も早くスラム街を無くしてサステナブルな街づくりに邁進しなければと思っているから。
2022年、彼は「ベストドレッサー賞」を受賞しました。ベストドレッサー賞とは政治・経済・芸能・スポーツなど各界でその年最も輝いた、時代をリードするおしゃれな著名人に贈られる賞で、福井県から2人目の受賞者となりました。
桁違いの、サステナブル先進国へ

このとき、一緒に受賞した人がいます。今や世界のスーパースター・大谷翔平選手です。もし彼が日本に居続けたら、彼の年棒はいくらでしょうか。10億円あるかないかでしょう。しかし今、メジャーリーグでの年棒は10年間で約1000億円、つまり年間100億円という途方もない数字です。
日本とアメリカでは文字通り桁が違います。スタンフォード大学に呼ばれたのも、彼の概念がこれからの時代に必要であり、そして必然のように地球が待ったなしであるということを意味していると思います。
文字通り、経済のレベルが10倍違うということは、彼のアート作品の価値もまた10倍違うということになりかねません。これまでの売り上げはほぼほぼ日本国内でのみのこと。もし超大国アメリカが彼を知った日には…、と考えてしまいます。
だからいつも言っています。「今のうちに持っていてください」と。小さいサイズは298000円→398000円→500000円→700000円と、ギャラリーをオープンしてから徐々に上がり続けています。作品を作るのは彼一人、でもほしい人は年を追うごとに増えています。
会社の事務所に1枚、家庭に1枚、あるだけでも、作品が持つメッセージ性が無意識のうちにサステナブルな気持ちを高め、仕事でも生活でも持続可能な取り組みになっていくと思っています。その気持ちが県内、国内、そして世界に広がっていけば、彼が提唱する「サステナブルキャピタリズム」は完遂するのだと信じています。
自分は彼の故郷・福井でその活動を伝導する役割です。知ってもらい、感心してもらい、共感してもらい、コレクションしてもらう。そうして“伴走者”をたくさん作っていく役割です。
9月からアメリカに行く真護くんの活躍を、遠い空から見守っていきます。
がんばってこい!
